PRO160NS生産中止に想うこと

PRO160NS生産中止に想うこと

バケペン部部長のabc(@dabcphoto)です。

夏からちょっとバタバタしていまして、なかなかバケペン部を更新するタイミングがありませんでした。

でも、今日はなんとしても筆を取らねばならない。そんな気持ちになりました。

「フジカラー PRO 160NS プロフェッショナル 120サイズ、フジクローム VELVIA50 CUTサイズ 販売終了のご案内」という富士フイルムからの発表に、タイムラインがざわついています。

富士フイルム お知らせ

衝撃の発表!というよりも、「あぁやっぱりね・・・」というのが率直な印象でした。

スマホに高性能なカメラが搭載され、1億総カメラマンとなっている時代に、いつもまでもフィルムが存続するわけがありません。

2021年6月7日に、このバケペン部のサイトを立ち上げた際、挨拶文としてこう書きました。

しかし、高いから・・・とフィルムを使わないでいると、フィルムはすぐに消滅してしまうことでしょう。

フィルムを楽しむなら、今しかありません。本当に最後のチャンスだと思います。

About https://6×7.jp/about/

その最後のチャンスが、もう来てしまいました。受け入れるしかありません。

きっと富士フイルム社内でも散々議論されたことでしょう。カメラ事業が慈善事業ではないこともわかっています。それでも、ただただ残念です。

私の中判フィルムデビューはPRO160NS

2017年にヤシカフレックスの二眼レフを購入しました。当時、最初のフィルムに選んだのがPRO160NSでした。

勝手な想像ですが、中判フィルムを手にした方は最初にPRO160NSを選択するのではないでしょうか。

カラーネガフィルムで一番手にしやすい価格帯のPRO160NS。それでも中判フィルムの楽しさを知るには充分すぎる描写でした。

銀座のショーウィンドウ
購入してすぐに空の旅へ

中判フィルムの楽しさを知ったのは、PRO160NSのおかげです。(バケペン部のサイトなので、掲載は控えめに)

バケペンで一番大事な写真はPRO160NS

この夏、愛猫ロッキーが天国へ旅立ちました。

こんなに早くお別れすることになるとは思っておらず、今となってはたくさん撮っておけば良かったと後悔する日々です。

闘病生活で日々弱っていくロッキーにカメラを向けるのがとても辛く、一切撮りませんでした。

そんなロッキーの写真で、絶対に一生涯大事にする写真があります。

バケペンを手に入れてからまだ日が浅かったときだと思います。天気が良くてゴロゴロとくつろいでいるロッキーを撮りました。

出窓でくつろぐロッキー

同じ日に35mm判で撮影した写真もありますが、中判ならではの描写には及びません。

猫好きはわかると思うのですが、猫の目ってものすごく綺麗なんですよね。カメラ選びの基準に、猫の目を綺麗に撮れるかどうかが入っているほどです。

そういった個人的な思い入れがありまして、このロッキーの目は何度も見てしまいます。大きくプリントして、部屋に飾っています。本当に大事な写真。(ちょっとピンぼけだけど)

バケペンフォトウォークもPRO160NS

バケペンを同時期に買ったメンバーで湘南を撮り歩いた日。私のバケペンには最初、PRO160NSが入っていました。

昭和の重量級中判フィルムカメラPENTAX 67、通称バケペン。令和元年秋にバケペンを購入した人が4人も集まりました。控えめに言って頭がオカシイです。そんなフォ…
abc-photo.com

(自分のブログですが、リンクを貼っておきます。)

集合して最初に行ったのは由比ヶ浜でした。あまり技術的なこと、化学的なことはわかりませんが、ラティチュードが広いってこういうことを言うのでしょうか。

由比ヶ浜のサーファー

レンズは借り物だったこともあり、何mmのレンズを使ったのか忘れてしまいましたが、この絵馬のボケ感には圧倒されました。撮るの楽しいってなりますよね。

御霊神社で絵馬を。※現在は境内撮影禁止

江ノ電の300系をフィルムで撮るノスタルジックさ、たまらないんですよね。300系を撮るためにいろいろ計算していた覚えがあります。

※現在は塗装され直してぴかぴかです

当時メンバーに「この明るさで無理でしょ~」なんて言われながら撮影したテーブルフォト。何度見返しても美味しそう。

稲村ヶ崎のRestaurant MAIN

成就院からの眺めが良くて、天気の良い日は足を運びたくなります。富士フイルムのフィルムってこういう色だなーとなんとなく思います。

成就院から望む由比ヶ浜

気軽に使えるPRO160NS

晴れた日にフィルム悩んだとき、手に取るのはPRO160NSでした。コストとISO感度を考えると、あまり選択肢がないのが正直なところ。

コロナ禍で足が遠のいていますが、鎌倉をフィルムで撮り歩くのとても良いんですよね。

京都旅行に行ったときは、少し長秒露光にもチャレンジしました。失敗してもいっかーと思えるコストがPRO160NSのメリットです。ネガフィルムなので、だいたいなんとかなるんですよね。

京都タワー

ありがとう。PRO160NS

PRO400Hが生産終了なって間もないですが、まもなくPRO160NSも生産終了となります。

中判カラーネガフィルムの国内製造が終了ということでしょうか。

ただただ残念ですが、これも時代の流れです。

迷惑にならない程度に買い込んでゆっくり使っていこうと思います。

ありがとう。PRO160NS。

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